基本的関心事-3C

日本広告業協会が2005年に実施した調査「今、シニアに広告は届いているか」によると、20歳代は「個」の観点すなわち自身との関係性から広告を見る傾向が強いのに対して、50・60歳代は社会性・公共性に係る表現に強く反応する傾向が強いとの結果が紹介されています。2005年の古い調査ですが、弊社の調査でもその傾向は見てとれます。

シニア・高齢者市場という広範な対象の中から自社の強みを活かせる開発テーマを見つけるためのポイントとしてまず、このようなシニア世代の基本的な関心事・心に刺さるキーワード、『3つのC』を取り上げます。

1.Cause:大儀/社会貢献

弊社が実施した売上の一部が環境保護活動などに充てられる「環境寄付型商品」の購入意向に関する調査によると、50歳以上の「環境寄付型商品」の認知度は情報収集力の違いからか30・40歳代に比較して低いのに対して、今後の購入意向では50歳代44.5%・60歳代46.1%・70歳以上42.3%と30・40歳代より高い割合を示しました。
また、シニア世代のボランティア参加意向が高いことは各種調査からも紹介されています。寄付や社会貢献をコンセプトとしたマーケティング手法は、米国で1980年代からコーズマーケティング(Cause Related MarketingまたはCause Marketing)として研究・展開されています。

ボルビックの1リットル for 10リットルキャンペーンなどが有名ですが、東日本大震災被災地に向けた義援金募集やチャリティーキャンペーンが一気に広まったことは今の社会環境を端的に現しているといえましょう。老後に対する不安感が高い環境の下で消費に慎重なシニア世代が自身の「消費欲を肯定する」ポイントの一つがCause(大儀)を組み込むことです。福島原発近隣の風評被害地域の農産物応援セールが消費者に支持されたことは記憶に新しい事例です。

シニア世代の環境商品に関する意識調査/年代別にみる環境寄付型商品の購入動向について

2008年7月 シニア世代の環境商品に関する意識調査より
年代別にみる環境寄付型商品の購入動向について

2.Community:共同体

「シニアの公園デビュー」という言葉があるように、退職後はカイシャというコミュニティから地域活動・ボランティアや趣味・習い事などの共同体に参加することが一般的であり、弊社のインタビュー調査の結果でも、シニア世代の社会参画意識は全般的に高いという傾向が現れています。
多摩大学総合研究所副所長松本祐一准教授のインタビューをまとめた「シニアマーケットを読み解く3つのキーワード」によると、近年増加している車中泊の旅を楽しむシニア世代は、道の駅等で出合った人やインターネットを通じて知り合った人達とのコミュニティを作っているとのことです。

若年層との違いは、SNS(Social Network Service)のようなインターネットの中だけのコミュニティの広がりはまだ弱い点にあります。Cause以上に身近な消費の基盤となっている心的要素として、自分の関連する共同体やコミュニティ御用達の商品等が、マーケティングに取り込む価値の高い要素です。

3.Communication:情報伝達/意思疎通

弊社が実施した敬老の日に関する調査2011によると、プレゼントを贈る側(子や孫)では「一緒に食事をする」が28.1%、「洋服やバッグなど」が24.3%、「食べ物やお酒」が15.2%であったのに対して、貰う側(親・祖父母)は「一緒に食事をする」が33.6%、「洋服やバッグなど」が10.4%、「食べ物やお酒」が10.0%という結果でした。

貰う側の「電話や手紙」が7.9%と「一緒に食事をする」を合計すると、40%の方がモノよりもコミュニケーションを欲しているということが見てとれます。

敬老の日に関する調査2011

2011年9月 シニア・高齢者の敬老の日に関する調査2011 より

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